学芸員がオススメする美術館の逸品を紹介します。
学芸員オススメ! No.102市立美術館の逸品
【市立美術館】 電話番号:099-224-3400
ファクス:099-224-3409
本作は、ユーモラスな表情の十二支がぐるりと描かれた、染付の花瓶です。染付とは陶磁器の制作技法の一つで、白い素地に酸化コバルトを主成分とする顔料「呉須」で絵付けが施されています。焼くと藍色に発色するため、白い素地と鮮やかな藍色の模様との対比がとても美しいです。
作者の寺尾作次郎は、鹿児島での薩摩焼の研究・振興や陶芸家としての活動が知られていますが、鹿児島へ拠点を移す前は、東京や京都で染色や図案制作に携わり、多くの展覧会で入賞を果たした実績があります。
本作は、その染色・図案制作の経験を通じて磨かれたセンスが光り、寺尾の人柄を思わせる素朴で温かな雰囲気の絵付けが見る人を引きつけます。
ぜひ実際に作品を見て、今年の干支である「午」や、ご自身の干支を探してみてはいかがでしょうか。
本作は3月17日(火)から5月17日(日)まで「春の所蔵品展」で展示しています。