学芸員がオススメする美術館の逸品を紹介します。
学芸員オススメ! No.105市立美術館の逸品
【市立美術館】 電話番号:099-224-3400
ファクス:099-224-3409
ラウル・デュフィは、独自の色彩と光の表現を追い求めた、20世紀前半のフランスを代表する画家の一人です。本作のモデルは、晩年のデュフィを献身的に支えたベルト・レイズです。
彼女が身にまとった緑のショールと、足元の赤いラグの華やかな色彩、軽やかで踊るような線描が、見る人に明るい印象を与えます。デュフィは最期まで、この作品のように生きる喜びを感じさせる作品を描き続けました。
画家に「生きる喜び」を描くタイプと「生きる苦悩」を描くタイプがいるとすれば、デュフィは前者に当たります。しかし、特に近代以降の美術では、喜びそのものをテーマとする画家は少ないように感じます。
愛する人の死や貧困といった不幸や苦悩は具体的な場面として表現しやすい一方で、幸福や喜びの感じ方は人それぞれ異なるため、作品として描くことが難しいのかもしれません。
そのような中でも、色彩と生命力に満ちた作品を数多く残したデュフィの作品を、11月29日(日)までの「秋の所蔵品展」で是非ご鑑賞ください。