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2026年7月号市立美術館の逸品

学芸員がオススメする美術館の逸品を紹介します。

学芸員オススメ! No.104市立美術館の逸品

ワシリー・カンディンスキー
『小さな世界Ⅰ』

【市立美術館】 電話番号:099-224-3400
ファクス:099-224-3409

小さな世界

「小さな世界Ⅰ」

見えないものを見るということ

全12点からなる版画集『小さな世界』は、一つの宇宙を十二の小宇宙へと分解したかのような作品集です。ロシア革命後、モスクワからドイツへ戻ったカンディンスキーが、バウハウス(美術と建築の総合研究機関)の教授に就任した直後に制作しました。新たな生活と創作の出発点を表す重要な作品集であり、木版・石版・銅版といった複数の版画技法が用いられています。

版画集のうちの一つ、「小さな世界Ⅰ」は石版画で、惑星や星座、微生物、音楽の響きなど、精神世界を思わせるイメージが散りばめられています。それらは、望遠鏡で見る銀河のようでもあり、顕微鏡で観察する細胞のようにも感じられます。また、直線と曲線が生み出す心地よいリズムによって、視線は自然と作品の中を巡ります。余白が程よい緊張感を生み出しており、まだ形を成していない新しい何かが生まれる前の気配と、躍動感あふれる生命力を感じさせる作品です。想像力を刺激する抽象絵画ならではの魅力を、ぜひじっくりとお楽しみください。本作は7月7日(火)から9月13日(日)まで「夏の所蔵品展」で展示しています。

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