学芸員がオススメする美術館の逸品を紹介します。
学芸員オススメ! No.103市立美術館の逸品
5月19日
国内初公開!
【市立美術館】 電話番号:099-224-3400
ファクス:099-224-3409
ⒸYAYOI KUSAMA
鮮やかな赤の背景に、無数の黒い水玉が、まるで浮遊するかのように描かれています。ひとつとして同じ形のない水玉は、細胞や星、分子など、見る人の想像力によって多様なイメージを呼び起こします。じっと見つめていると、不思議なことに水玉が動いているように感じられたり、視点を変えることで、黒の水玉が背景となり、赤い網目が浮かび上がってくるようにも見えてきたりします。
草間彌生の象徴ともいえる水玉や網目は、幼少期からの幻視体験や、本市と文化・観光交流協定を結んでいる故郷・長野県松本市で目にした河原の小石などのイメージから生まれました。1957年に渡米し、創作に打ち込む中で、これらのモチーフを反復する独自の手法により、前衛的な芸術表現として国際的な注目を集めていきました。
本作が描かれたのは帰国後の1985年、当館が新装開館した年でもあります。作者のエネルギーがじかに伝わる肉筆の作品を、ぜひ展示室でじっくりとご鑑賞ください。
5月19日(火)~7月5日(日)に開催する「初夏の所蔵品展」でお披露目します。