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2025年10月号市立美術館の逸品

学芸員がオススメする美術館の逸品を紹介します。

学芸員オススメ! No.101市立美術館の逸品

藤島 武二(たけじ)
鉸剪眉(こうせんび)

【市立美術館】 電話番号:099-224-3400
ファクス:099-224-3409

静けさの中の気品

静けさの中の気品

藤島武二は幼少期に日本画を学び、1905年から4年間ヨーロッパに留学しました。その時イタリアで目にしたルネサンス期の肖像画であるピエロ・デルラ・フランチェスカやレオナルド・ダビンチの表情を抑え、感情を内に秘めた横顔の絵に「東洋的精神」に通じる静けさを感じたと記しています。

その影響を受けた藤島は1926 ~27年にかけて、女性の横顔を描いた作品を多く発表しました。静かで気品ある美しさが印象的な女性の横顔を描いた作品は、彼の画業の中でも特に高く評価されています。

中国服と頭髪にコワッフュール(かぶり物)をつけた本作は、彼がかつて見た珍しい髪飾りをした中国の人形をヒントに日本人女性をモデルにして制作したものです。女性像に凛とした気品と静けさが宿った本作は藤島ならではの「東洋的精神」の表現なのかもしれません。

本作は11月16日(日)まで「秋の所蔵品展 ミニ特集:令和6年度新収蔵品Ⅱ-藤山ハンの世界-」で展示しています。

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